こんにちは。ペンギンモドキです。
脱出ゲームを作ろう!と思ってから、早7か月。やっと、GooglePlayのテストの審査に出すところまでこぎつけましたので、どのように制作を進めたのか、参考にしたサイト等を紹介しながら書きたいと思います。これから脱出ゲームを作ろうとしている人や、ゲーム制作に興味がある人の参考になればと思います。
〜追記〜
今回制作したゲームがGooglePlayでリリースされたので、よかったら遊んでください!
なぜ脱出ゲームなのか
そもそも脱出ゲームとはなんでしょうか。
脱出ゲームとは、「鎖された空間や環境から知恵を駆使して脱出するゲームのこと」、らしいです。
聞くところによると脱出ゲームは、ゲーム制作初心者にお勧めのゲームジャンルらしいです(ホント?)。確かに、他のゲームに比べれば処理が単純で実装しやすいのかもしれません。
また、脱出ゲームは一定層の固定ファンがいて、リリースしたら知名度のない人でも比較的遊んでもらいやすいゲームジャンルらしいです(これもホント?という感じですが)。これからリリースして確かめてみます。
以上の話を聞き、まぁ初心者向けと噂の脱出ゲームなら一か月くらいでできるかぁと思い作ってみる気になりました。今思えばすごく見積もりが甘かったです。
骨組みづくり
脱出ゲームを作ることは決まったものの、さすがに素人が0から考えてつくるのは大変なので参考になりそうなサイトや動画等ないかなと探しました。
一番参考になったのは、スタジオしまづさんの動画です。
スタジオしまづさんの動画は、網羅的にわかりやすく脱出ゲームの実装方法が紹介されていて、大変参考になりました。今回は3Dの脱出ゲームを制作したため、上(3D脱出ゲーム)の方の動画を主に参考にしつつ、セーブ機能は下(2D脱出ゲーム)の動画を参考にしました。途中からメンバーシップ限定の動画になりますが、一か月あれば見きれます。一か月分のメンバーシップ料金(1000円程度)は、払う価値があると思います。ちなみに、今回のゲーム制作で課金したのはこの動画視聴のみで、他の素材等は、すべて無料でそろえることが出来ました。
一通り上記の動画を参考にして、アイテムの取得、アイテムの使用、その他基本的なギミック、セーブ機能等を実装した後、機能追加やバグ直し等をしていきました。例を挙げると
- ヒントの機能の追加
- UI関連の追加(メニュー等)
- タイトル画面の追加
- アイテムBOXの改良(左詰めする、オーバーフローしないようにする)
- 視点を複数段階で拡大できるようにする(脱出ゲームではものをタップすると近づいてみることが出来る。この近づく視点を複数階層にして近づく→さらに近づくみたいなことができるようにする。)
- その他バグの修正
等です。この辺は個別にウェブで検索したり、生成AIのcopilot君に訊いたりしながら進めました。ある程度のバグが取れ、骨組み部分は一旦仕上げりかなと思ったときには、既に2か月程経っていました。
ゲームのテーマ決め
骨組み部分ができたので、ゲーム制作仲間とどんな脱出ゲームにするのか話合いました。
脱出ゲームを作るにあたり、ダウンロード数の多い脱出ゲームにどんな特徴があるのかGooglePlayStoreをスクロールしながら何となく集計してみました。
その上でどの層をターゲットにするのか、どんなテーマがいいのかを話合おうとしたのですが、ゲーム制作メンバーの誰もマーケティングの知識のかけらもない人材だったため、話合いの出口が見えなくなり、結局、特に理由もなく、メンバーの一人がつぶやいた「こたつからの脱出」にテーマが決まりました。
この辺のマーケティング戦略も、本当に売れるゲームを作ろうとするなら重要なところだと思うので、今後鍛えていきたいなと思います。
テーマが決まったので、部屋の構図と、謎解きのギミックのリストアップ、ギミックのフローチャートを作成しました。フローチャートになったギミックを分割して、GitHubのissueに書きだして、メンバーが各々好きなギミックを実装していくことにしました。
素材あつめ
実際に3Dの脱出ゲームの中身を実装するにあたり、以下の素材は必須になります。
- 3Dモデル
- 曲、効果音
- アイコン、イラスト等
すべて無料でそろえられたので、そのサイトを紹介します。
3Dモデル
3D屋さん

多くの素材が商用利用可能で掲載されている素晴らしいサイトです。基本的なものはここでそろいます。ただし、素材が非常にシンプルなため、垢抜けたゲームを作りたいのなら加工は必須です。
BOOTH

有料のものが多いですが、たまに無料のものもあります。今回は有料のものは使わなかったですが、比較的安価なものが多いので、多少購入してみてもよかったかなと思います。
Digital-Architex

家具や家電等の素材が充実している印象です。こちらも商用利用可能かつ無料で、お世話になりました。
曲、効果音
フリーBGM DOVA-SYNDROME

Youtubeでよく聴く曲があげられていますが、聴いたことのない曲も多々あったのでお勧めです。
効果音ラボ

多種多少な効果音がそろえられており、ゲーム内のすべての効果音はここから採用しました。
アイコン
SILHOUTTE DESIGN
メニュー画面等のアイコンに採用させてもらいました。
素材作成
上記のサイトでほとんどの素材は揃えられたのですが、一部の素材はどうしても無料では入手できませんでした。この場合のアプローチは三つあります。
- ギミックの内容を変えて、無料の素材でできるギミックに変更する。
- 素材を自作する
- 素材を購入する
1.は一番楽ですが、やりたいことの幅がいつまでの広がらず、個人的にはつまらないと思います。3.はありだと思いますが、無名の駆け出しゲーム制作者はそう多くのお金をかけられないので、限度があるかなと思います。となると3Dモデルを自作するのは脱出ゲーム作りで避けられない壁なのだと思います。
私は、3Dモデル制作ツールとしてBlenderを使いました。無料で使用でき、Youtubeに制作例の動画が多く上がっているので、調べれば様々な3Dモデルを作成できます。
本当に使い方を取得しようとしたら多くの時間がかかると思いますが、スケールをいじったり、へこませたり、角を丸めたり、マテリアルに色を付けたりといった基本的な操作だけでもそれっぽい素材ができるので、クオリティにこだわらなければ初心者でも全然使えるツールだなと感じました。

↑画像は私が初めて自力で制作した3Dモデルです。
3Dモデルに加えて、画像の編集をしたいという場面にも多く直面しました。PowerPointやDraw.io等でも全然対応できるのですが、私はFigmaを新たに使い始めました。FigmaはUI作成等に便利なツールで、無料で(一部機能は制限されますが)利用できる優れたツールです。こちらも本格的に学ぶのなら奥が深いとは思いますが、簡単に使う程度なら直感的に操作できるため学習コストのそれほど高くないツールだと思います。
ゲーム制作を終わらせる
上記のように素材を集めたり、作ったりしながら実装を進めていき、気づいたら7か月が過ぎていました。ゲーム制作は、当初想像していた以上にやることが多かったです。実際のゲーム制作部分(Unityを触っている時間)の作業が多かったのはもちろん、素材の権利関係を確認したり、FigmaやBlenderといった新しいツールを使い方を学んだり、ゲーム制作部分以外にも時間がかかりました。開発が長引くとモチベーションも続かず、途中はかなり中だるみして誰も何もしていない期間がうまれてしまいました。そのため、このままではエターナってしまう(英語のeternalとかけた言葉。開発が終わらないことを表す)という危機感がありました。
今回のゲーム制作で感じたのは、ゲーム制作に終わりはないということです。作っているうちに気になる部分や改良したい部分は無限に湧いてきて、そういう箇所を修正していると本当に実装しなければならない部分がいつまでたっても完成しません。そこで、どこかで終わりを決めなければならないと覚悟を決め、ゲーム制作仲間で一人の家に集まり、最後の作業をみんなで終わらせました。リリース用のビルドを完了し、GooglePlayStoreのクローズドテスト用の審査に提出しました。
おわりに
今回は、素人の脱出ゲーム制作について記事を書いてみました。参考になる部分があったらうれしいです。今回制作したゲームも数週間後にはリリースする予定なので、遊んでもらえたら嬉しいです。

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